夏、継続
役立たず興味本位調査3回目です。「食味不可→食べられないこともない」という実感を得ることができました。
前回から少し間が空いて9月初旬にいろいろ食べた感想となります。
夏に旬を迎えるりんごは収穫してしまったため残った品種で適当に食べ比べています。
皆さんは店頭に並んだ旬のもの若しくは安心して食べられるものを食べてください。
炉、食べた感じ一覧
- 品種名
*******食べた感じ********* な形式です。順番バラバラ - ふじ
一応食べることができる。甘みも酸味もなく青臭いというか口に残る微妙な感じ。シナノスイート、シナノゴールドに比べると硬い感じ。 - シナノスイート
味は薄いが甘みは感じる。もちろん酸味はなく皮が硬い感じ。結構美味しい。 - シナノゴールド
しっかりとした酸味を感じる。かじるとゴールドの特徴でもある「パリッ」とした触感を感じることができた。皮が口の中に残る。結構美味しいがまだまだな感じ。 - 王林
一番かじりにくく、口に残るデンプンっぽさ(未熟な風味というか味というか)少し甘みを感じる。可もなく不可もなく。 - ムーンルージュ
皮も硬いし果肉も硬い。しかし、食べた瞬間味覚がバグったかと思ったほど甘い。酸味は感じず甘い。 - 炎舞
酸味も甘みも強くは感じない。この時期のふじより食べやすい。 - シナノピッコロ
果肉が程よい硬さになってきているのか食べた感じはとても良い。皮が少し口の中に残る。酸味も感じるがまだしっかりとした味はせず「うまい!」とはいえない。 - 紅玉
こちらも果肉の硬さが程よくなってきて食べた感じが気持ち良い。特徴のしっかりした酸味を感じることができるが未熟な果実の味もする。完成に近づいているけどまだ完成ではない感じ。
冬、総評?
今回一番驚いたのはムーンルージュの甘さでした。
確かに果実の物理的な面「外観」「果肉の硬さ」等は全くもって未熟な顔をしているのに味だけは甘い。
自分の味覚と脳みそがおかしいのかと思って帰って簡易的な糖度計で見たところ16〜17%程あるように見える。
(器具を固定するとかそういう工夫もせず手元のスマホで撮影したので境界線がわかりづらいです。申し訳ないと思うとともに揺るぎない事実だと思わずにこういうこともあるか。くらいに捉えてください。)
甘みを感じる果糖はデンプンが分解されて生成されるものだろうしデンプンが消えるはずだ。
と今思いました。果実に残っているデンプンの調査はしておりません。
ついでに感想が特に無かった炎舞の糖度も見てみました。
こっちはなんだか妥当な感じがします。
手元にある果樹の教科書にはふじで収穫期の糖度が15%、シナノスイートが14%程度との記述があります。正直なんだかよくわかりません。
収穫期から2ヶ月も早い段階(ムーンルージュの収穫適期は上旬〜中旬{苗木カタログより})でここまで糖度が高いのは樹体の状態が良くないからこんな状態なのか、ムーンルージュという品種が特殊なのか、今年の雨だったり高温が続いたことが影響しているのか全くわかりません。
「そういうものなのかもなぁ…。」程度の認識でいようと思います。
続けていると王林は6月から「可もなく不可もなく」がずっと続いている気がします。
他の品種がめまぐるしい変化をとげる中で王林だけは安定して「可もなく不可もなく」なポジジョンを保っているのは個人的にとてもおもしろいと思っています。
完成形だけ見て品種の性格を見るより一年通して多方面から品種の性格を見るともっと多くのものが見えるのかもなぁと思います。(それは商品として果実生産する上で本当に役に立たないことだとも思います。)
絵を描く技術があれば擬人化とか萌えキャラ化して売り出しても良さそうですが残念ながら絵を書く技術も無ければプロモーションして売り出す能力も無いのでやめておきましょう。
扇、続く?
どの品種も「食べられて、まずくない、むしろ結構イケる」段階までやってきた気がします。
それでもまだ本当の美味しさには程遠い感じがします。6月あたりの「口に入れた瞬間吐き出す」状態を思い出すと3ヶ月での果実内の変化には外観も中身も驚かされます。
詳しくどんな変化があるかはよくわかっていませんが身をもって体験したのはいい経験になっていると思います。
加えて「収穫適期」を決める、見極める重要性と難しさが見えてきた気がします。
新品種を選定するときの収穫適期とかどうやって決めてるのかすごく興味が出てきました。
こんなこと役に立たない事はわかっていても多分もう少し続けるだろうし来年もやってみたいなと思っています。
以上
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