奇、食べごろや旬ってなんだか考えてみよう
まずは国語辞典で調べてみましょう。
旬
季節の食物の、出盛りで一番味の良い時季
新明解国語辞典 第6版
食べごろ
食べて一番おいしい時分
新明解国語辞典 第6版
だそうです。旬の中に各々の食べごろがあるって感じでしょうか。「りんごの旬の中にふじの食べごろがある」みたいな。
なぜ突然こんなことを言い始めたかというと以下の記事を書き始めてから「このりんごっていつ収穫するのがベストだ?」ということを無駄に考えてしまったからです。
旬でも食べごろでもないりんごを食べてみようという何の役にも立たない記事ですが感じることは多かった訳です。
例えば
- こいつは摘果したりんごもなんか使えるのでは?←農薬とかのお話ガン無視
- かじった感じ(食感)だけいい
- 味だけ食えそう(めっちゃ硬い)
- 見た目結構美味しそうだけど味全然…。
- 食えない→食えるけどうまくない→食える→程々においしい。程々においしい段階で出せば競合も少なくてよくうれるのでは??
みたいなことです。
食物が食べごろだからおいしくて世間に流通して、似た複数の食物の食べごろが連なって旬を作っているわけです。
食べごろの食物を提供するのが我々の役目だと思いますが、旬から外れた時季のもの(特に早いもの)は高値がつくのは確か。高く売れたほうが当然いいわけですが、下手なものを売るわけにはもちろんいかない。
なんだかよくわからなくなってきました…。
時分的には一番美味しいのは
- 味(味覚)
- 食感(触覚)
- 見た目(視覚)
- 香り(嗅覚)
のすべてが揃った瞬間だと思います。場合によっては音(聴覚)も入るかな…?
旬や食べごろは五感をほとんどフルに使って感じることが大切かな。なんてことを思います。
貨、食べる人の旬
秋といえば食欲の秋。リンゴや梨、ぶどうが旬を迎えます。
日本全国に産地があって品種も様々なので間違いなく9月に入れば何処かで梨やぶどうの出荷が始まって旬の訪れを感じさせてくれます。
食べる人から見る旬はそういった世間の動きであったり、果物の見た目によるところが大きいと思います。
スーパーに並んだ果物をかじってしまうことはできない(匂いを嗅ぐことはできるかも)ので仕方のないことです。
(旬を感じようと店頭や収穫したコンテナの中に手を突っ込んで勝手に果物を触るのはやめましょうね。ぶどうとかはブルームが取れて致命的だし他の果物も傷がつきやすいです。)
そういった中から実際に買って食べていただいて「お!やっぱ旬のものはうまいな!」となるわけです。
旬にふさわしい美味しい果物を提供するのが我々の役目かななんてことも思います。
可、栽培する人の収穫期
問題はこっちです。実家に来て5年目になりますが「よくわからん。」状態です。
栽培の教科書を見れば満開後何日とか着色がどのくらいとか書いてあるわけですが書かれた地域も違うなら(同じ長野県であっても)樹の状態や性質まで違ったりします。
もちろん、教科書どおりに収穫すればそこそこなものはできると思いますが「ほんとにピークを迎えたタイミングか?」と思うと「どうなんだろ?」と思うわけです。
農協への出荷や作業の進み具合を考えるとすべてのものを完璧にピークで収穫することはできないことはもちろんわかりますが最高のタイミングで収穫できたらな~と思うことはあります。
上で書いた五感をすべて刺激するタイミングでの収穫は実際に食べてみて(食べ続けて)「ここだ!」と思うタイミングで採るしかないなというのが自分の最近の結論ですが、自分がかじったものを「これ美味しいよ!」って出すわけにも行かないので最終的にはやっぱり視覚に頼った収穫になっちゃうな…。なんて感じています。
遅れても良くないので美味しいタイミングがちょうど食べてもらえるタイミングに重なるように収穫しなきゃいけないので本当にわけがわからないわけですが…。
「総合的に判断した上で視覚に最後の判断を任せ収穫し、届ける。」うん。難しい。できるようになる頃には爺さんかもしれない。
悪い例として消費者が買うときに判断できるのが視覚だけということを使って「美味しそうに見える」ものを高く売り抜ける。ってのがあります。
着色がいいりんご「秋映」とかは美味しくなる前に「美味しそうに見える」品種です。で、実際に食べてみると「あんまりうまくないね。」となってしまったりします。旬の前半や品種の出始めは待っている人も多いので高い値がつきやすいと思いますがあまりいい気持ちはしません。
作った人の評判が落ちるくらいなら良いですが品種自体の評価が落ちてしまうととても悲しいです。自分も品種の評判を落とさないように一番美味しい時期を届けないといけないと強く思います。
居、おいしいりんごの選び方?
写真があればいいですがただ面倒だったので写真はありません。
とにかくいい匂いがして、全体的に緑っぽさを感じないものが広く定義できる美味しい食べごろかなと思います。
「緑っぽさを感じない」ってのはちょっと形容しづらいですが
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上の2つだったら上の方を選ぼうね。って感じです。
下のお尻の部分(赤くなっていない部分)を見て緑っぽくないものを選ぶのが一番簡単ですが銀色シートを引いてあったりすると全体的にしっかり赤くて判別しづらかったりします。そしたら頑張って緑っぽくないものを選んでください。
例外的に樹に何らかのアクシデントがあったりすると「めっちゃ色は良いのにめっちゃまずい」ってやつもあります。見た目と味が完全にリンクするわけではないのです…。
今回ほど結論が迷子の回はありません。
ムーンルージュとか味はもう十分じゃないかと思うけど硬すぎて食べられたものじゃないし、シナノピッコロは見た目と食感は100点に近いのになんだか味をもうちょっと待ちたい気もする。わからん。
以上。
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