それぞれの特徴
ムーンルージュ
- 中野市、吉家雄一氏が「いろどり」×「ふじ」より育成
- 11月上旬〜中旬
- 300〜350g
- 果皮は黄色。果肉が赤くなると外観が薄いオレンジ色に変わる。
- 果肉は桃〜赤色に着色
- 糖度14.2% 酸0.52%と濃厚な味
- 普通貯蔵で60日位
植木農園2020秋〜2021春パンフレットより
炎舞
- 中野市、吉家雄一氏が「いろどり」×「ふじ」より育成
- 11月中旬〜下旬
- 350〜400g
- 果皮は濃赤色に着色
- 果肉は桃色に着色。密が入ることがある。
- 糖度13.7% 酸0.4%と濃厚な味
- 普通貯蔵で60日
植木農園2020秋〜2021春パンフレットより
10月半ばでの印象
まず、植えた圃場が田んぼからの転作で一応暗渠を敷設したもののまだまだ排水能力が不十分だと思われ、昨年末追加で暗渠を敷設しました。しかし、2020年7月の長雨には排水能力が追いつかず田んぼになっていました。
また、土壌検査を行うと不足している要素が多く見られ、土壌の能力としても十分でないと思います。
そんな畑に植えてしまって申し訳ないと思いながらよく生き残ってくれているなと感謝の気持ちでいっぱいです。生き残って果実を付けているやつは賞賛に値すると思っています。
そんな状態なので、もしこの文章を読んでいる生産者がいたら参考にしないでほしいと思います。
つながりのある文章で書くのが難しそうなので箇条書きで
- 「ムーンルージュ」は強く切ってやったほうが良い気がする。遠慮気味に切ったら全体的に弱々しい感じの木が多くなってしまった…。ただ、強い奴はやたら強くて花芽もつかない。同じように切ったつもりなのに納得がいかない。
- 「ムーンルージュ」は収穫期が来なくても美味しい。
- 「ムーンルージュ」は炭疽病にかかりやすい気がする。
- 「ムーンルージュ」の果肉の赤色が入っている場所と入っていない場所で味が違う(色の入っていない部分は酸味がなくてやたら甘い気がする。)
- 「炎舞」は勝手にちょうどいい中短果枝が出てきて勝手に花芽がつく。
- 「炎舞」は早い段階からいっぱい収穫しようと思えばいっぱい収穫できそう。
- 「炎舞」の葉っぱ小さくない?
- 「炎舞」の果皮の着色がすこぶる優秀。
- 「炎舞」はまだ「うまい!」とはいえない。収穫期をきっちり守ったほうが良さそう。
君たちは本当に晩生種なのか
これを言いたいのは特に「ムーンルージュ」なんですが9月半ばくらいから食べて「美味しい」という感想が自分から出せるくらいの評価です。
加えて不思議なのは6月くらいから食べ続けていると「それほど酸味がない」状態が続き9月半ばくらいで「酸味をほとんど感じない」状態になりました。で、10月中旬果肉の着色した部分は「甘酸適和」な感じになっています。木がまだ若いというのと土地が適していないとかイレギュラーな状態は多々あると思いますが「こんなりんごあるのか…。わけわからん。」と勝手に楽しんでいます。
これが「ただ弱ってるから」みたいな結論だったら悲しいわけですが可能性としてありそうで嫌です…。
「炎舞」については着色がやたら早く始まります。時季としては「秋映」とおなじくらい。で秋映にはちょっと劣るかなくらいの濃赤に10月頭にはなっています。ただ、あまり美味しくありませんでした。
果皮が赤くなるリンゴなので着色管理は必要だと思いますが陰光面もしっかりと着色している印象を受けました。果実にピタッとくっついている葉っぱを取れば着色管理も完成しそうです。
赤果肉リンゴの価値
晩生種といえば「ふじ」ですね。
それにバッチリ競合する11月収穫の赤果肉リンゴに価値はあるんでしょうか。
正直、知名度も低いし需要もあるかわからないし、そもそもちゃんと安定生産できるかどうかもわかりません。
個人的には別ジャンルとして「ふじ」と競合することなく販売できたら嬉しいなと思っていますが…。
生産量だけ追いかける果樹生産もいいですが「それだったらあんまり面白くないかな。」と思う天邪鬼な自分の性格が良くないです。
生産した果実の価値は誰が作るんでしょうね。多分消費者が作るんだと思います。もしかしたら受け入れられないかもしれませんが果実がなければ赤果肉リンゴの価値を見出してもらう機会も少なくなるでしょう。
赤果肉リンゴに情熱を注いでいる吉家氏には敵いませんが自分も「赤果肉リンゴ」の面白さを多くの人に知ってもらいたいなと思います。
積極的に何かするわけではありませんが…。
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