リンゴを長く楽しむために【リンゴの保存方法】

リンゴもらったけど多すぎて食べきれない!

リビングにおいておいたら1週間でシワシワになった!

そんな悩みがある人居ませんか?

5キロ入りの箱なら(大きさにもよりますが)14〜18個くらい入っています。

1人で食べきるには少し多いかもしれません。

使い方、楽しみ方によっても方法は変わりますのでまとめてみました。

品種によっても保存可能な期間は違います。それに、対策をしてもリンゴはゆっくりと老化していきますので生で食べたい場合はなるべく早く食べるのが良いとおもいます。

以下、果物の品質が落ちていくことを「老化」と表現しています。

 

生のリンゴを長く楽しみたい!

季節の果物であるリンゴはやっぱり生で食べたい!でも、できるだけ長く楽しみたい。

リンゴも植物なので呼吸をします。呼吸をすればリンゴの中に蓄えられた糖や酸を消費するので味は少しずつ落ちていきます。水分も蒸発していくのでシャキっとした食感は失われていきます。

呼吸させなければ老化は抑える事ができます。

 

老化させない!=呼吸させない!

人間は呼吸を止めたら老化が遅くなるなんてことはないですが…。

リンゴの場合、呼吸を抑えてあげれば老化のスピードは遅くなります。

呼吸を抑えるためにはどうしたらいいでしょう…?

そのためには

  1. 温度をできるだけ低く保つ
  2. 酸素濃度を低く保つ
  3. 凍結はさせない
  4. 湿度は十分に保つ

3,4番は上の2つを補助するものだと考えてください。

果物が凍結してしまえば細胞が壊れてシャキッとした食感は失われますし、乾燥すればリンゴの中の水分が抜けていくのは自然なことです。

 

家庭でできる最高の保存法

家庭で手軽にできる保存方法は「まるごとポリ袋に入れて冷蔵庫!」

コレに限ると思います。

ポリ袋に入れて口を閉じてしまえば酸素濃度が上がらなくなり、湿度も保たれます。

冷蔵庫なので凍結することもなく、一定の低い温度で保たれます。

それでもやはり老化は進みます。なので、できるだけ早く食べるのが良いと思います。

特にみつの入った「ふじ」は長期保存すると外観は大丈夫に見えても、中が褐変していることが多くあるので注意が必要です。

今の冷蔵庫はチルド室やパーシャル室なんてものがあるらしいですね…。凍結しないできるだけ低い温度を実現できればいいのでチルド室やパーシャル室に入れておけばより長持ちするかもしれません。

 

 

「まるごと冷蔵庫だとスペースが必要だし、切って保存したい。」そう思う方もいるかもしれませんが、僕はあまりオススメしていません。

切ってしまえば断面から水分が蒸発して食感が変わってしまいます。

それに、切った部分は酵素が空気と反応して色が悪くなってしまいます。

対策として断面を塩水につける、レモン汁につける、ということができます。確かに断面の変色は防げますがリンゴの味が変わってしまうのであまりオススメできません。味が変わったあとの味も美味しいかもしれませんが…。

 

冷蔵庫にも入り切らないリンゴはポリ袋に入れて温度の低い暗い場所に置いておく事をオススメします。

ポリ袋に入れるのは酸素濃度をあげずに、湿度を保つためです。

「光が当たる≒温度が上がる」なのでできるだけ暗い所が良いと思います。

 

一年通してスーパーにあるリンゴの保存法

リンゴの長期の保存は

  1. 温度をできるだけ低く保つ
  2. 酸素濃度を低く保つ
  3. 凍結はさせない
  4. 湿度は十分に保つ

これらを徹底的に守ることがポイントです。

なので

  • 極限まで0℃に近い温度
  • 酸素濃度を極限まで下げて
  • 湿度を一定に保つ

こんな方法で1年中スーパーに並ぶリンゴは貯蔵されています。すごく大規模な設備が必要なのがネック…。青森のリンゴはこの方法で貯蔵されることが多いみたいです。

(Control Atmosphere、略してCA貯蔵なんて呼ばれてます。空気調整しての貯蔵です。CA貯蔵は酸素濃度を下げるため人が一緒に入ると酸欠で倒れてしまいます。)

 

最近では老化を進める植物ホルモンのエチレンの働きを抑える方法もあります。

通常はエチレンがリンゴに存在するエチレン受容体(エチレンがくっつく場所)に結合することによって老化が始まります。

1−MCP(1−メチルシクロプロペン、常温常圧で気体)という物質を利用するのですが、この物質は物理的にエチレンに似ています。

その為、エチレン受容体にも結合します。しかし、くっついているものはエチレンではないので老化が始まりません。

出来る限り多くのエチレン受容体に1−MPCを作用させることによってエチレンと結合するエチレン受容体を少なくします。そうすることにより老化を遅らせる事ができます。

効果は抜群です。前年取れたシナノゴールドを5月に頂きましたが、しっかりパリッとしていたので驚きました。

商品名はスマートフレッシュといって普及も進んでいます。CA貯蔵に比べて設備投資が少なくて住むのが魅力ですね。

1−MCP処理したリンゴは香りが若干失われてしまいます。しかし、リンゴのない時期にリンゴを売り出せるのは非常に大きなメリットもあります。あとは、収穫後に薬剤処理しているわけなので消費者の方の理解が得られるかどうかです…。

もちろん、健康に害を及ぼすことはありませんが、イメージや理解の問題です。

 

 

加工品として楽しむなら冷凍しちゃえ!

加工してジャムやコンポートにするなら切って冷凍してしまいましょう。

冷凍してしまえば生での貯蔵よりも長く保存が効きます。

切って、水気をとったらジップロックに入れて冷凍庫へ。(果皮を取るかどうかはおまかせします。)

冷凍する場合はまるごと冷凍はオススメしません、場所をとってしまいますし、大きいと凍結するまでに時間がかかってしまって細胞へのダメージも大きくなります。(加工するんだし細胞へのダメージは関係ないと言われるとその通りですが…。)

切ってから冷凍したほうが加工するときに楽なので僕はおすすめです。

解凍後すぐに食べられますし、砂糖で煮てから冷凍するのも良いかと思います。

 

まとめ

  1. 生で食べるなら「まるごとポリ袋に入れて冷蔵庫」
  2. 冷蔵庫に入らなければ「ポリ袋に入れて冷暗所」
  3. 加工品にしたいなら「切って冷凍」

僕の園では「ふじ」の場合、大きい専用の袋にリンゴを入れて保存しています。

冷蔵庫にも入れていませんが、2月中旬くらいまではかなり食べられる状態です。

温度管理も面倒なので大きい冷蔵庫ほしいな。と思ったりします。

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