リンゴ栽培をしている人間として超期待している「赤果肉リンゴ」をちょっと詳しくわかりやすく紹介していきます。
注目の品種をピックアップ
赤果肉リンゴにも品種が幾つかありますが、おすすめの品種をピックアップしてみました。
炎舞(えんぶ)
炎舞は皮の色が濃い赤色になります。中まで赤い果肉となると名前の通りの品種ですね。
明すぎてちょっと黒っぽくなってない!?ってくらい赤いです。
11月に収穫できるリンゴです。リンゴの王様「ふじ」よりも後に収穫するみたいです。
収穫時期や木の状態によって果肉の色の入り具合が全く違うのでここは栽培している人の腕の見せどころですね。
とは言ったものの栽培している期間の気温や着色する時期の寒暖差など、どうしようもない部分も関わっているようなので栽培している人は緊張しますね。
「中まで赤いリンゴだよ!」って売ったのに「果肉は赤くないじゃないか!!」って言われたらどうすることもできません…。
大きさは350g〜400g。大きめですね。長野県のリンゴ栽培の手引には「ふじ」が300g程度って書いてあります。
食べた感想は「美味しかった!」それこそ「ふじ」にも劣りません。しかし、ちょっと早く収穫したものは「味、薄っ!」と言う感想を持ちました。
収穫時期。大事です。
ムーンルージュ
二つ目。ムーンルージュ。
月の口紅。おしゃれですね…。ムーンというネーミングからもわかるように皮が黄色い品種です。でも果肉は赤くなります。
皮が黄色くて中が赤い…。果肉が赤くなってくると上の写真のようにちょっとオレンジっぽく見えます。他のりんごではまず見ない色ですよね。
炎舞と同じ11月に収穫できるリンゴです。
中の果肉の様子が外からもわかるので売る側としてはありがたいですね。収穫時期もわかるし、状態のいいものを売ることができます。
味も美味しいです。何気なくまるかじりしたら甘味が強くて「メロンか!?」と思いました。僕の味覚が間違ってなかったらの話ですが…。
とにかく、「果物」という表現よりも「フルーツ」という表現が合う味がしました。今までのリンゴとは違った美味しさがあります。
大きさは300g〜350g。特徴がしっかりあるのでこの際大きさなんてどうでもよく感じてしまいます。
冬彩華(とうさいか)
冬を彩る華。冬という文字も入っていて静かにひっそりと…という感じもします。
上の2つの品種とはちょっと違ったコンセプトで生まれた品種です。
そのコンセプトは「長く楽しめること」。年が開けてもパリッとしたリンゴがあるのはうれしいですよね。
大きさは400gくらい。実際に見た感じはかなり大きいリンゴでした。
酸味が効いた味ですが、普通に冷蔵庫に入れておいてもかなり長持ちするとのこと。
実は酸味が効いている=加工も向いている。ってことなんです。「ふじ」ほど甘いと加工した後に酸味が全く無くなって味がしまらなくなっちゃいます。
幅広い使いみちがありそうな冬彩華。注目です。
育種(品種を作った)人はどんな人?
上で紹介した3つの品種は吉家 一雄(よしいえ かずお)さんという方によって作られました。
長野県中野市でリンゴの果樹園を営んでいます。
新しい品種の作り方については省略しますが非常に手間と時間がかかる作業だということを覚えておいてください。
吉家さんは僕と同じ農業大学校の卒業生で、在学中に赤果肉のリンゴを見てその魅力を感じたそうです。
直接お会いしてする機会がありましたが「まずは赤果肉品種を多くの人に知ってほしい。」といっていました。
コツコツと20年かけて選抜された品種は果肉のきれいな赤に加えて味の良さが素晴らしいです。
味の良さは他の機関や大学が作った赤果肉品種と比べると圧倒的とも言える美味しさです。
僕も吉家さんの赤果肉リンゴの魅力に取りつかれた一人として赤果肉リンゴ普及の力になれたら…と思っています。
まとめ
- 「炎舞」赤黒い皮、美味しい!
- 「ムーンルージュ」、黄色い皮、熟すとオレンジ色、美味しい!
- 「冬彩華」、赤い皮、長持ち、使い方いろいろ!
- 見かけたら食べてみてね!
「炎舞」と「ムーンルージュ」は僕の園でも栽培中です。植えてから2年目なので収穫はもうちょっと先かなぁ…。
個人的に期待しているグループをざっくり紹介したのはこちら
メディアにも取り上げられている信州大学育種の赤果肉についての勝手な考察はこちら
リンゴ赤果肉系品種検討会(2018年)に行ってきた記事はこちら
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